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スマートフォン1回分以上の充電ができる中型モバイルバッテリー
GPSやカメラを多用する小旅行などに
いつもと違う場所に行くときは必ずGPSロガーなどの行動記録アプリを終日起動して行動を記録します。
Bluetoothイヤホンで音楽を聴きながらカメラも多用するのでバッテリー消耗が日常使いに比べて格段に早くなります。
このような使い方をする場合の必需品がモバイルバッテリーです。
2000mAh程度から20000mAhオーバーの大容量まで様々な製品が溢れかえっているのでどれを選べばいいのか迷ってしまいます。
大は小を兼ねると言う諺のように大容量バッテリーが主流のようですが、重いバッテリーを持ち運ぶのは苦になります。
そこで今回はスマートフォンを1回以上2回未満充電できる中型モバイルバッテリーに絞って購入することにしました。
たかがモバイルバッテリー、侮ることなかれ!
【以下は個人的な素人見解です】
今や100均ショップでも入手できるほど身近となったモバイルバッテリーですが購入するときの決め手は何でしょうか?
価格、容量、メーカー、デザイン、その他独自の付加機能、口コミetc.人それぞれ理由は違うと思います。
私の場合はメーカーを最重要視します。
なぜならば生命と財産を危険に晒してしまう可能性のある製品だからです。
電車内などで白煙騒ぎとしてニュースでも取り上げられることもありますが、取り扱い方を誤れば発火や爆発などの危険性があることを知っておくべきだと思います。
例え正しく取り扱っていたとしても、コスト削減のため安全回路を省略したり中古部品を流用したものなど、問題を抱えた粗悪品を故意に販売している業者も存在するようです。
「モバイルバッテリー 偽装」というワードで検索するだけで実に150万件以上がヒットします。
就寝前に充電する方も多いと思いますが、もしも安全回路がない製品だとしたら…考えただけでも恐ろしいです。
それら予期せぬ不幸な事態に見舞われたときに販売元の窓口が分からない、或いは外国の場合は泣寝入りとなってしまう可能性が高くなります。
以上の事柄を踏まえると安易に「安くて評判が良い」という理由で訳のわからないメーカーは避けるべきだと思います。
選定条件
モバイルバッテリーの選定条件は以下のとおりとしました。
- 日本メーカーが取り扱っている製品
- 安全回路搭載
- PSE技術基準適合品
- 重量は150g以下
- 容量はスマートフォンを1回分満充電可なこと
- USB Type-C端子採用
特に安全回路搭載とPSE技術基準適合品は必須条件だと考えます。
比較サイトでは3000件以上ものモバイルバッテリーがヒットしますが条件を追加して絞り込んでみました。
- バッテリー容量:10000mAh以下→約2500件
- 重量:200g以下→約1900件
- USBポート数:2口→約400件
- 接続端子:USB→約150件
- メーカー:多摩電子工業、マクセル、BUFFALO、サンワサプライ、Sony、エレコム、オーム電機→約70件
(※悲しいことですが日本メーカーに絞るだけで一気に選択肢が減ってしまいます) - 重量150g以下→約44件
上記条件で絞り込んで価格の安い順に並び変えてみます。
安い理由として仕様を詳しく見ると旧世代のMicro-B端子を採用しているものが多いです。
厳選した結果、USB Type-Cケーブルに対応したエレコム製モバイルバッテリ「DE-C10L-6400WFホワイトフェイス」を購入することにしました。
検索条件を日本メーカーに絞った場合は「エレコム」製が断トツで多いです。
カラーはブラックとホワイトの2色から選べます。
ホワイトは目と鼻が描かれた見た目が可愛い「ホワイトフェイス」仕様です。
製品仕様
コネクタ形状(電源入力側) | USB Type-C(メス) |
定格入力電圧/電流 | DC5V/1.8A |
コネクタ形状(電源出力側) | USB-A(メス)×2ポート |
定格出力電圧/電流 | DC5V/合計最大2.6A(1ポート最大2.4A) |
電池種類 | 充電式リチウムイオン電池 |
電池定格容量 | 3.67V/6400mAh |
充電時間 | 約3時間40分(1.8AのAC充電器使用時) |
外形寸法 | W45㎜×T24㎜×H96㎜ |
重量 | 約132g |
繰り返し使用回数 | 500回 |
使用温度 | 0~40℃ |
カラー | ブラック、ホワイト |
安心回路 | 過充電・過放電・過電圧・過電流防止機能、短絡保護機能・温度検知保護 |
付属品 | USBケーブル(USB A~Type-C)約100㎝ |
保証期間 | 6ヶ月 |
特筆するべき機能はありませんが形状と容量から察してモバイルバッテリーやパソコン、LEDライト用の電池としてよく使用される「18650電池」が2本使用されていると思われます。
2つの日本工業規格(JIS C8711、JIS C8714)に準拠した電池を使用しているので品質と安全性は信頼できそうです。
パッケージ
見た目がかわいい「ホワイトフェイス」ですが男性が使っても恥ずかしさはありません。
主な特徴は以下のとおりです。
・USB Type-Cケーブルが付属しておりUSB Type-Cコネクタ搭載スマートフォンをすぐに充電可能。(7割程度充電済み)
・軽くて持ち運びに便利なコンパクトタイプ。
・2ポート合計最大2.6Aの高出力モデル(1ポート最大2.4A)
・本製品(バッテリー容量6400mAh)でスマートフォンを約2回充電可能。
・2口のUSBポートを備えているのでスマートフォンと他のUSB機器を同時に充電可能。
・モバイルバッテリー本体は付属の充電ケーブル(Type-C)で充電可能。
約3時間40分とチャージ時間を大幅に短縮できる急速充電モデル(※出力1.8A以上のACアダプタ使用時)
・付属の充電用ケーブルを使用してUSB Type-Cコネクタを搭載するスマートフォンや機器を充電可能。
・Lightningケーブルを利用することでiPhoneにも充電可能。
・USBポートに搭載した高性能ICが接続機器を自動で見分けて最適な出力で最速に充電できる“おまかせ充電”に対応。
・4段階LEDランプで電池残量の確認が可能。
・約500回繰り返し使用可能な充電式リチウムイオン電池搭載。
・内蔵電池は、JIS C8711およびJIS C8714に準拠した安全設計。
・過充電・過放電・過電圧・過電流防止機能、短絡保護機能・温度検知保護を備えた安心回路設計。
・日本の電気用品安全法(PSE)の技術基準に適合。
日本メーカー製に加えて日本工業規格準拠、複数の安全回路搭載、PSE技術基準適合などが明記されており品質や安全性能は信頼できそうです。
実際に充電できる容量
例えば3000mAhバッテリー搭載のスマートフォンを所持している方はこのモバイルバッテリーを見たときに当然2回分満充電できると思います。
「電池容量6400mAhで2.1回分充電可能」と書いてあるのだから…当然の認識でしょう。
しかし実際に充電してみると記載されている容量の6割程度しか充電できません。
モバイルバッテリーの口コミなどでは「記載されている容量が充電できない!容量詐欺だ!」など怒りの書き込みを見ることがままあります。
本品の場合、パッケージを隅々まで見ると小さくこのように書かれています。
※1 満充電した本製品を約1800mAhのバッテリー搭載のスマートフォンに充電した場合の目安です。
つまり2.1回分を容量に換算すると 1800×2.1=3780mAh となり、記載されている6400mAhに対して約6割程度しか充電できないことになります。
実際に6400mAhの電池が搭載されているので詐欺ではありませんが、消費者の立場からすれば騙されたと思われても仕方ないと思います。
このような差異が生じる主要因は充電時に電圧変換損失が発生するからです。
メーカーに対しては記載されている容量の6~7割程度しか充電できない事実を原因も含めてもっと大きく記載してほしいです。
内容物
- 本体(DE-C10L-6400WF)
- マニュアル:安全上のご注意(保証書)
- USBケーブル(USB A to Type-C)(約100㎝)
ケーブルはやや硬めの質感ですが約100㎝のロングタイプが付属しています。
マニュアル(日本語抜粋)
マニュアルには「警告」と「ご使用上の注意」が日本語で記載されており保証書も兼ねています。
日本語以外では英語・韓国語・中国語・タイ語・ベトナム語など実に14か国語に翻訳されています。
本体外観
全長約10㎝、横幅4.5㎝、厚みは2.4㎝とコンパクトなうえ丸みをおびた持ちやすいフォルムです。
目と口が描かれている表面上部にあるスイッチボタンを押すと4段階LEDランプで残量が表示されます。
マットな質感のプラスチック樹脂製で指紋などが目立つこともありません。
白色ボディなので名前など書ける反面汚れが付着した場合は目立つと思います。
手のひらに収まるサイズ感なのでスマートフォンと共に片手持ちできます。
上面には出力用”OUT”のUSB-A(メス)×2と入力用”IN”のUSB Type-C(メス)×1が備えられています。
本体は一般的なスマートフォンより軽い137g、付属のUSBケーブルが約25g。
鞄に常備しても気にならない重量だと思います
Pixel4aに充電
スマートフォンPixel4a(バッテリー容量:3140mAh)にUSBチェッカーで計測しながら充電してみました。
仕様では定格出力電圧/電流:DC5V/1ポート最大2.4AとなっていますがUSBチェッカーで測定してみるとDC5.05V/1.43Aでした。
出力電圧/電流はスマートフォン側で制御されておりバッテリー残量などにより変動します。
出力USBポート”OUT”は2口ありますがどちらに接続しても同じ出力値でした。
一度モバイルバッテリーを使い切った状態からUSBチェッカーで測定しながら充電が停止するまで充電したときの総充電容量は5047mAhでした。
Pixel4aに対しての充電結果は1.4回分の充電が可能でした。
端末バッテリー | 端末バッテリー増加分 | USBチェッカー値 | 端末充電容量 | |
1回目充電 | 0%→100% | 100% | 2899mAh | 2899mAh |
2回目充電 | 10%→50% | 40% | 3925mAh | 1026mAh |
USBチェッカーの測定値は累計で3925mAh、モバイルバッテリー容量が6400mAhなので実際に充電できた容量は(3925mAh/6400mAh)×100=61.3%
仕様の値に対しておおよそ6割充電できたことになります。
電圧変換損失を考慮した実際に充電できる容量は仕様に記載されている容量の6~7割程度とされていますので概ね仕様どおりの充電性能が確認できました。
タブレット端末のFire HD10(容量:6300mAh搭載)にも同条件で充電してみた結果、0%→60%まで充電できました。
モバイルバッテリー(6400mAh)とタブレット端末(6300mAh)のバッテリー容量がほぼ同じなので60%まで充電できた結果は仕様どおりと言えます。
タブレット用としては心許ないので10000mAhクラスのモバイルバッテリーを検討するべきでしょう。
使用ケーブルの注意点
結論を先に言いますとこのモバイルバッテリーは「Type-C to Type-Cケーブル」を使ってスマートフォンに充電することはできません。
試しにType-C to Type-Cケーブルで接続してみました。
モバイルバッテリーのType-C端子には”IN”とだけ書かれていますので予想どおり、スマートフォンからモバイルバッテリーへ充電が開始されました。
以前にレビューした「小型軽量エレコムモバイルバッテリー5000mAh EC-C01BK,EC-C01WF」を同様にType-C to Type-Cケーブルで接続した場合、スマートフォンに急速充電が開始されます。
違いはType-Cの端子部に”IN OUT”と表示されており放充電が可能。
今回紹介しているモバイルバッテリーのType-C端子部には”IN”としか表示されていないので自身を充電するだけのポートとなります。
間違ってType-C to Type-Cケーブルで接続するとスマートフォンバッテリーの残量がモバイルバッテリー側に充電されてしまうので注意が必要です。
まとめ
メリット
- 日本メーカー製で品質も安全回路も信頼
- 使用されている電池はJIS規格に準拠
- PSEの技術基準に適合
- 普段使いの携帯用に丁度良いサイズ感と容量
- 2ポート同時充電
デメリット
- Type-C端子は充電専用ポートで出力には非対応
- Type-C to Type-Cケーブルではスマートフォン等の充電はできない
- 充電時間が長い
- ホワイトフェイスは汚れが目立つかも…
デメリットを許容できるならば間違いなくお勧めできるモバイルバッテリーです。
ワンランク上の性能を求めるなら以前にレビューした「小型軽量エレコムモバイルバッテリー5000mAh EC-C01BK,EC-C01WF」のほうがお勧めです。