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進化した第11世代Fire HD 10 PLUSへ乗り換え
買い替え検討
愛用してきた「第7世代 Fire HD 10」はパソコンのサブディスプレイや動画視聴用として重宝してきましたが操作感が悪くなったと常々感じていました。
更に追い打ちをかけて充電不良がおこるようになったので買い替えの機会を伺っていました。
Amazon Fireタブレットはコストパフォーマンスが非常に高いAndroid端末ですが、年数回のセールで更にお得になることが分かっていたので「Amazonブラックフライデー」にあわせてHD 10 PLUSを購入しました。
HD10PLUSとHD10の仕様比較
Amazon Fire HD 10は「HD 10」と「HD 10 PLUS」の2機種が用意されています。
両者の違いはメモリー容量、ワイヤレス充電の有無、カラーバリエーションの三点で価格差は3,000円です。
搭載メモリーは多いほど良いと考え、ワイヤレス充電できることによりUSBポート抜き差しによる不具合リスク軽減になるのではとの考えで「HD 10 PLUS」を購入することにしました。
今まで使ってきた第7世代と比較してメモリー容量が倍となるので操作性向上に期待できます。
HD10PLUS | HD10 | |
対角LCディスプレイ | IPS LCD,10.1インチ,アスペクト比:16:10,解像度:1920×1200,ピクセル密度:224ppi,静電容量式タッチスクリーン,光沢,60Hz | |
本体サイズ(㎜) | 247×166×9.2 | |
重量(g) | 468 | |
SoC | KompanioMT8183,12nmプロセス,8CPU(A73&A53) | |
グラフィック | Mali-G72MP3 | |
メモリー(MB) | 4096 | 3072 |
ストレージ | eMMCフラッシュ 32GB/64GB | |
バッテリー | 6500mAhリチウムイオン(容量非公表) | |
入出力 | USB-C(USB2.0規格),OTG | |
充電方式 | USB-C,Qi規格ワイヤレス充電 | USB-C |
Wi-Fi | 802.11 a / b / g / n / ac (2.4/5.0GHz) | |
Bluetooth | 5.0 | |
オーディオ | 3.5㎜ステレオジャック,内蔵Dolby Atmosデュアルステレオスピーカー | |
センサー | 加速度計,輝度センサー | |
プライマリカメラ | 5MP,縦横比4:3,サイズ2592×1944,f/2.4,FHD動画1080p | |
セカンダリカメラ | 2MP,縦横比4:3,サイズ1600×1200,f/2.2,HD動画720p | |
GPS | 未搭載 (Wi-Fi経由位置情報サービス利用) | |
ストレージ拡張 | microSDカード最大1TB (exFAT非対応) | |
OS | Android 9.0 Pie | |
カラー | スレート | ブラック,デニム,オリーブ |
保証とサービス | 12ヶ月保証,オプション延長保証あり |
開封
Amazondデバイスのイメージカラーでもあるオレンジ基調の紙製パッケージでコストカットが徹底されています。
いざ開封!
内容物
- Fire HD 10 PLUS タブレット本体(第11世代)
- USB充電用ケーブル(A to Type-C)
- 9W電源アダプター
- 白冊子(重要な情報)
- スタートガイド
最近のスマートフォンなどは電源アダプターを付属しないことが一般的となりつつありますが、USBケーブルとともに付属しているのは有難いと思います。
外観
色の選択肢が「スレート」しかありませんが、別途カバーを使用するので何色でも問題ありません。
本体は滑りにくい触感の樹脂素材が採用されています。
ボリュームや電源などの物理釦、マイク、入出力ポートなどは裏面から見て左側に纏められています。
上側にステレオスピーカー、下側にmicroSDカードスロットが備えられています。
第8世代までの裏面には「amazon」という目立つ文字があったのですが、控えめなロゴマークだけになったのは良いと思いました。
非常に見えにくいですが必要な表示や規格などの情報も印字されています。
製造国は中国で「MADE IN CHINA」と記載されています。
仕様によると重量は468gでしたが、計測してみると462gしかありません。
「実際のサイズと重量は、構成および製造工程により変動する可能性があります」との記載があるので問題ないでしょう。
第9世代までは縦長でしたが第11世代はタブレットらしい縦横比になりました。
第7世代のプラスチッキーなボディーは滑りやすくてチープな印象でしたが、第11世代は滑りにくい艶消しマット仕上げとなり質感は良好です。何より「amazon」の文字がなくなったのは見た目的にも評価できます。
外観や質感に関してはカバーを装着すれば関係ないのですが…
付属の電源アダプターは第7世代に付属していたものと同じ仕様だと思われます。
CPU-Zによるハードウェア情報
ハードウェア情報を見られるアプリ「CPU-Z」で各項目の情報を確認してみました。
Geekbench5ベンチマーク測定
数値で性能を見るためにアプリ「Geekbench5」を使ってベンチマーク測定してみました。
英語表記のアプリですが使い方は簡単です。
関連記事:「ベンチマークアプリ「Geekbench5」の使い方」
「Fire HD 10 PLUS」のベンチマーク結果は以下のとおりとなりました。
CPUテストの結果はシングルスコアで「303」、マルチスコアで「1390」でした。
スコアが近いAndroid端末はシングルスコア「Xiaomi Redmi Note 7:328」、マルチスコア「Xiaomi Redmi Note 8 pro:1569、Xiaomi Redmi Note 7:1262」です。
計算(GPU処理能力)テストの結果は「1096」でした。
スコアが近いAndroid端末は「Xiaomi Redmi Note 9 pro:1227、Xiaomi Redmi Note 7:624」です。
ストレージベンチマーク
内部ストレージと外部ストレージ(microSDXCカード 64GB Class10)それぞれをアプリ「CPDT Benchmark」を使って速度計測した結果は以下のとおりです。
外部ストレージの書き込みパフォーマンスは悪いと言わざるを得ません…
高速なmicroSDカードを用いればもう少し良い結果が出るかもしれませんが、おそらくUSB2.0準拠なので理論上の最大転送速度60MB/sで頭打ちになると思われます。
なお、第11世代FireHD10の外部ストレージは「exFAT」形式でのフォーマットがサポートされていません。
OTG対応のUSBポート接続でも同様で「exFAT」や「NTFS」形式でフォーマットしたUSBメモリーなどのストレージを接続しても認識しません。
よって外部ストレージは「FAT32」でフォーマットする必要があり、1ファイルあたり4GBまでに制限されますので、高画質長時間動画など大きなファイルは保存できないことになります。
せっかく最大1TBまでの外部ストレージに対応しているのに容量制限があるファイルシステムしか対応していないのは残念です。
充電
USBケーブルを用いた充電性能をUSBチェッカーで測定してみました。
付属の9W電源アダプターを使用したときの電圧は5.33V、電流は1.79Aでした。
よって5.33V×1.79A=約9.5Wとなるので電源アダプター規格の出力が確認できました。
HD 10 PLUSは「電圧5.0V、最高電流値3.0A」で充電できます。
別途15W以上の電源アダプターを使用すれば付属品に比べて約1.5倍速く充電できることになります。
バッテリー残量0%から満充電まで測定した容量は6,334mAhでした。
容量は非公表とされていますが6,500mAhクラスのバッテリーが搭載されているようです。
最大出力10Wのワイヤレス充電器と付属の9W電源アダプターを用いた充電状況も確認してみました。
画像の電流値は1.42Aとなっていますが、凡そ1.7A前後で推移しており、約9Wで安定して充電できていることが確認できました。
充電パッドの位置は結構シビアで中央付近に置くと最高出力値で充電できますが、少しずれただけで電流値は極端に下がってしまいます。
ワイヤレスでの充電状況はUSBチェッカーのように数値で判別できなければ定格通り充電できているのか否かが分かりません。
専用スタンドのように毎回定まった位置に配置できれば良いのですが、純正スタンドは不具合が発覚して販売が停止しているとのことです。
カメラ試写
プライマリカメラ(リアカメラ)
仕様:5メガピクセル、縦横比4:3、画像サイズ:2592×1944、F値:2.4、動画:1080p(FHD)又は720p(HD)
フラッシュやオートフォーカス機能などはなく、画質もイマイチだと言わざるを得ません。
そもそもFire HD 10メインで撮影する人は少数派だと思いますが…
セカンダリカメラ(フロントカメラ)
仕様:2メガピクセル、縦横比4:3、画像サイズ:1600×1200、F値:2.2、動画:720p(HD)又は480p(SD)
ビデオ通話をイメージして被写体までの距離は約50㎝程度で撮影してみました。
2MPカメラのHD動画であればビデオ会議などにも十分使えると思います。
Fireタブレットのカメラを使う前に注意するべきこと。
それは位置情報があらかじめオンになっているので設定からオフにしておくことをお勧めします。
本機はGPSが搭載されていないのでピンポイントの位置特定はできませんが、Wi-Fi経由の位置情報サービスでも数百メートルの精度で凡その位置情報が画像ファイルに記録されてしまいます。
まとめ
市販されているタブレットのなかで他社の追随を許さないコストパフォーマンスの良さは頭一つ抜きん出ていると思います。
コスパ以外にこのタブレットを選ぶ最大の理由は、Amazon非公式ではありますが「Google Play」を簡単に導入できることです。
貧弱なAmazonアプリしか利用できない端末であれば選択肢には入りません。
もちろんデメリットに感じることもありますが、価格的に割り切って使える「使い捨てタブレット」感覚で使えることが最大の利点だと思います。
某メーカーの安心保証の金額で買えてしまうタブレットはAmazon Fire以外にはないでしょう。(中華タブ除く)
今回は第7世代からの乗り換えとなりましたが、メモリー倍増の恩恵は大きく操作性が向上したことに満足できました。