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消費者の選択は価格?or 品質?
携帯用にエレコム製USBケーブルを購入
以前「100円ショップで買えるType-Cケーブル&アダプタ8選」という記事を書きましたが、100円(税別)には見えない外観とともに必要十分な性能も備えていました。
今回はメーカー製のUSBケーブル2本を購入したので100均製との違いなど比較も交えてレビューしてみたいと思います。
購入したのはエレコム製「MPA-ACS03NBU」と「MPA-ACS03SNWH」のUSB2.0 Type-Cケーブルです。
サイズは0.3m、0.7m、1.2m、2.0mの4種
サイズは0.3m、0.7m、1.2mの3種
携帯性を重視して30㎝のショートケーブルを購入しました。
MPA-ACS03NBU
USB2.0ケーブル [Standard-Aオス to Type-Cオス]
3種類の新設計を採用した断線に強い高耐久ケーブル
詳しい製品概要はこちら「MPA-ACS_NBUシリーズ」
外観と特長
- USB2.0の規格である「Certified Hi-Speed USB(USB2.0)」の正規認証品
- 最大5V、3Aの大電流で充電可能(※)USB PD(Power-Delivery)非対応
- 最大480Mbpsの高速データ転送が可能
- 当社従来品の10倍もの耐久試験に合格したコネクタ付け根部分
- ケーブル表面のキズを防止するナイロンメッシュを採用
- 内部配線密度を高めることで屈曲に対する耐久力を強化する高密度配線構造を採用
- ロングブッシュ構造によりプラグ部分にかかる負担を軽減
- 安全性の高い難燃性の素材を使用
- 外部ノイズの干渉から信号を保護する2重シールドケーブルを採用
- サビなどに強く信号劣化を抑える金メッキピンを採用
充電能力や転送速度などは100均で販売されているUSBケーブルと同等です。
[※100均製USBケーブルにはデータ転送できないタイプもあります]
しかし高品質パーツの採用や耐久性を高めるための構造などにより随所に付加価値が高められているようです。
「MPA-ACS_NBU」シリーズの特長はコネクタ付け根部分を長くする[ロングブッシュ構造]ことにより断線に対する耐久性を高めている点です。
一般的なコネクタ付け根部分の長さは10㎜未満が多いですが本製品は17.5㎜もあります。
引っ張りや曲げに対してコネクタ付け根部の負荷を分散できるので断線リスクは減少すると思われます。
ケーブル直径は約3㎜(実測値)とスマートなうえ傷防止用のナイロンメッシュ素材で保護されているので見た目にも高級感があります。
ケーブル自体の質感はやや硬めで曲がりクセも若干残ります。
柔軟性と耐久性は相反するので一定程度の硬さは仕方ないと思います。
MPA-ACS03SNWH
USB2.0ケーブル [Standard-Aオス to Type-Cオス]
発熱防止機能(温度検知)搭載&断線に強い高耐久タイプ
詳しい製品概要はこちら「MPA-ACSSNWHシリーズ」
外観と特長
- USB2.0の規格である「Certified Hi-Speed USB(USB2.0)」の正規認証品
- 最大5V、3Aの大電流で充電可能(※)USB PD(Power-Delivery)非対応
- 最大480Mbpsの高速データ転送が可能
- 内部配線密度を高めることで屈曲に対する耐久力を強化する高密度配線構造を採用
- ケーブル被覆にナイロンメッシュを使用し表面を保護
- 安全性の高い難燃性の素材を使用
- Type-C側コネクタ部分に搭載された温度検知素子によって異常発熱を検知して充電停止
- 外部ノイズの干渉から信号を保護する2重シールドケーブルを採用
- サビなどに強く信号劣化を抑える金メッキピンを採用
金メッキピン採用
先に紹介した「MPA-ACS03NBU」と同じく充電性能や転送速度などの性能は100均で販売されているUSBケーブルと同等です。
「MPA-ACSSNWH」シリーズ最大の特長はType-C側コネクタに内蔵された温度検知素子によって「異常発熱検知」機能が搭載されていることです。
少し疑問に感じたのですが、そもそも異常発熱による安全機能は充電される側の機器に搭載されている製品が多いのではないでしょうか?
異常発熱検知機能が搭載されて安全性が高くなった反面、Type-C側コネクタのサイズがかなり大きくなっています。
通常Type-C側端末プラグの多くには継目がありますが、MPA-ACSSNWHには高品質のプラグが採用されているようで継目がありません。
接続した状態でType-C側のコネクタ部を比較してみると、幅と厚みはほぼ同じですが長さが約30㎜も突き出た状態となるのは違和感があります。
両製品比較
両製品ともに「2重シールドケーブル」を採用しているせいか質感としてはやや硬めで曲がりクセが直りにくいです。
長さは同じですが「MPA-ACS03SNWH」の方がケーブル径が太いうえ発熱検知機能が搭載されているので2g重いです。
100均USBケーブルとの比較
「100円ショップで買えるType-Cケーブル&アダプタ8選」の中で同タイプのUSBケーブル2製品「ダイソーNo.2&No.109」と比較してみました。
コネクタ部を中心に比較してみると100均ケーブルは付け根の長さが短いことが分かります。
曲げや引っ張りに対して応力が集中しやすい箇所なのでUSBケーブルに限らず家電ケーブル全般の弱点はケーブルとコネクタの接続部だと思います。
この弱点を補強するためにコストが嵩むとは思えませんが「ダイソーNo.109」などは別途断線防止スプリングを取り付けて耐久性の向上を図っているようです。
「ダイソーNo.2」はメッシュケーブルが採用されておりエレコム製と遜色ない質感で100均とは思えないほどの高級感が感じられます。
充電能力
USBチェッカーを使って各ケーブルの充電性能を測定してみました。
各USBケーブルが公称している充電性能はすべて「最大5V、3A」とされています。
初めにスマートフォンPixel4aに充電してみたのですが全てのケーブルにおいて「約5V、1.4A前後」というほぼ同じ結果となりました。
これはスマートフォン側で制御されていたからだと思います。
そこで充電時の最大値が「5V、3A」のモバイルバッテリーを測定してみた結果は以下のとおりです。
電圧(V) | 電流(A) | 電力(W) | |
エレコムMPA-ACS03NBU | 5.17 | 2.39 | 12.36 |
エレコムMPA-ACS03SNWH | 5.17 | 2.43 | 12.56 |
ダイソーNo.2 | 5.16 | 2.13 | 10.99 |
ダイソーNo.109 | 5.17 | 2.44 | 12.61 |
意外にも「ダイソーNo.109」がトップとなりましたが4ケーブルには顕著な差はでませんでした。
「ダイソーNo.2」の性能がやや劣っている理由としては2倍以上あるケーブル長が関係していると思われます。
100均ケーブルはコネクタ付け根部分が短いものが多くて断線しやすい弱点がありそうですが、充電性能に関してはメーカー品との差が殆どないので一般消費者の選択としては「価格>耐久性」となるでしょう。
何より入手性の良さが100均ケーブルの最大の利点だと思います。
結局100均?
ここまでメーカー製USBケーブルを紹介しておいて、外出時に常用しているのはどれかと問われれば答えるのも憚られます。
携帯用として常備しているUSBケーブルは100均セリアで見つけた「2台同時充電ケーブル」です。
Type-CとMicro-Bの端子に充電できる一本二役「急速充電対応2台同時充電ケーブル」を使用してます。
全長は20㎝程度で絡まず嵩張らず丁度良い長さで、Type-CとMicro-Bの双頭コネクタなので旧型Bluetooth機器などに採用されているMicro-B端子の充電ができます。
USB-A端子1ポートからType-CとMicro-Bの同時充電も可能なうえ最大充電性能は「5V、3A」です。
デメリットは充電専用なのでデータ転送には対応していないことです。
1本で2種類のUSB端子に対応しているので重宝してます。
充電速度に拘りがなければ手持ちのMicro-BのUSBケーブルの有効活用として「Type-C変換アダプター」も便利なアイテムだと思います。