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突然の誤動作頻発…分解してプリント基板を洗浄清掃
夏の必需品扇風機
毎年夏場に重宝する季節家電の扇風機。
我が家の愛機は2015年製パナソニックの「F-CL325」というスタンダードタイプ扇風機。
毎年秋にはメンテナンス掃除後に梱包して保管しますので見た目も奇麗です。
本機は安心の日本メーカー製なので設計上12年間問題なく使用できるようです。
今年は購入後から5シーズン目のお世話になっている最中でした。
幽霊の仕業?
蒸し暑い日にそれは突然起こりました。
ユーチューブを視聴していると「ピッ、ピッ..ピー…」電子音が何度も聞こえます。
「雑音の多い動画だなぁ」と思っていると扇風機が勝手に停止しました。
「ああ!電子音は扇風機からか」と気づくも、タイマー設定した覚えがないのになぜ止まるのかと思いながら確認するとチャイルドロックが点灯しています。
運転ボタンを押しても「ピーピーッ」と鳴るだけで復帰しません。
仕方なくコンセントを抜いて再び運転を再開します。
暫くすると例の電子音が操作していない扇風機から聞こえてきました。
夏の風物詩「幽霊の仕業」でしょうか?気味が悪いです…
そのまま放置していると何度が電子音が鳴ったのちに扇風機が勝手に停止しました。
またチャイルドロックが点灯しています。
誤動作
何度か繰り返して運転してみると勝手にチャイルドロックが点灯して停止してしまうことがわかりました。
勝手に停止するまでの誤動作を観察してみると以下のような挙動でした。
運転ボタンスイッチオン
↓
約3分25秒後:電子音ピッ(チャイルドロック点灯)
↓
約3分31秒後:警告電子音ピーピー
↓
約3分44秒後:警告電子音ピーピー
↓
約3分47秒後:警告電子音ピーピー
↓
約4分04秒後:警告電子音ピーピー
↓
約4分07秒後:警告電子音ピーピー
↓
約4分17秒後:警告電子音ピーピー
↓
約4分27秒後:警告電子音ピーピー
↓
約5分08秒後:警告電子音ピーピー
↓
約5分12秒後:警告電子音ピーピー
↓
約5分29秒後:警告電子音ピッ(チャイルドロック消灯)
↓
約5分51秒後:警告電子音ピッ(切タイマー1時間点灯)
↓
約6分09秒後:警告電子音ピッ(切タイマー2時間点灯)
↓
約6分12秒後:警告電子音ピッ(切タイマー4時間点灯)
↓
約6分14秒後:警告電子音ピー(切タイマー消灯)
↓
約6分18秒後:警告電子音ピッ(切タイマー1時間点灯)
↓
約6分33秒後:警告電子音ピッ(切タイマー2時間点灯)
↓
約6分47秒後:警告電子音ピッ(チャイルドロック点灯)
↓
約6分52秒後:警告電子音ピーピー
↓
約7分01秒後:運転停止(チャイルドロック点灯したまま)
停止後に本体とリモコンの運転ボタンを押してみますが警告のような電子音が鳴るだけで運転再開できません。
以降何度か試しても勝手に切タイマーやチャイルドロックが点灯したりして最終的に運転が停止してしまいます。
スイッチの不具合
操作部には4つのボタンありますが「運転切/入」と「切タイマー」ボタンに不具合があることを発見しました。
具体的な症状は以下のとおり。
- 運転ボタンを押しても動作しないことがある。(押下時のクリック感アリ)
- 切タイマーボタンを押すごとに何故か風量が切り替わる。
- 本来切タイマーボタンを長押しするとチャイルドロックが点灯するが何故か1/fゆらぎランプが点灯する。
切タイマーボタンが風量ボタンと同じ動作になっていることが確認できました。
リモコンの操作ボタンは正常に動作します。
本体内部のボタンスイッチまわりに何か異常が発生して誤動作しているものと思われました。
内部を確認
メーカーの保証期間も過ぎており無償修理も受けられないので廃棄するならダメもとで可能な限りのことをやってみようと思います。
電気に関する知識が殆どなく、ましてや電子部品などはチンプンカンプンですがとりあえず扇風機を分解して内部を確認してみることにします。
自分でできる範囲のおおまかな作業予定は以下のとおりとしました。
- 電子部品が膨張していないかなど異常の有無を目視点検する。
- 基板に埃の付着や経年劣化などによる異常がないかを目視で確認。
- 汚れが確認された場合プリント基板を洗浄してみる。
- 誤動作を確認したタクトスイッチを交換してみる。
- コードを取り外して基板を丸ごと水洗いしてみる。
5の基板丸ごと水洗い洗浄は明らかに良くないと思われますが、動画などで見たことがあったので最後の手段としてメニューに加えました。
分解作業
お決まり文句ですが市販の家電製品を分解することを推奨するものではありません。
本ブログ記事を参考に発生した如何なる損害にも責任は負えません。
最悪の場合は火災や感電する恐れもあるかと思います。
それでも分解修理にチャレンジされる方は自己責任で願います。
初めに収納時のように前後のガード、羽根、ベースを本体スタンドから取り外しておきます。
【注意】必ずコンセントから電源プラグを外してください!
スタンド底部4か所(赤矢印)の固定ネジを外します。
スタンド下面カバーを取り外すと内部にアクセスできます。
更に基板を固定しているネジを外して基板を取り外します。
基板チェック
取り外した基板の電子部品を液漏れや焦げ跡などの異常がないかを目視で確認します。
特に円柱形の電解コンデンサが膨張していないかを入念に見ましたが異常は確認できません。
まったく動かない場合はヒューズが切れていないかを初めに確認しましょう。
次に基板裏のはんだ面も同様に目視で確認します。
赤丸で囲った複数箇所に汚れが確認できます。
不具合の切タイマーボタンに該当するスイッチ部品のはんだ箇所を青色で表示してみました。
プリント基板のパターンを辿ってみると非常に幅が狭い箇所(赤矢印)に白い汚れがあり、誤動作の原因となっている可能性があります。
風量スイッチに該当するプリント基板のパターンにも同様の汚れを確認。
基板洗浄
プリント基板のはんだ面に複数の白い汚れがあったので洗浄してみることにします。
用意したもの
- 歯ブラシ
- パーツクリーナー
- トレイ
- ドライヤー
- ビニル手袋
- ティッシュ
全体にパーツクリーナーをスプレーした後に歯ブラシでこするように汚れを落とす作業を2度行いました。
本来であれば専用のクリーナーを使用するべきだと思いましたが手持ちのパーツクリーナーで代用しました。
早く乾燥させるために洗浄作業後にドライヤーを使用。
若干白い汚れが残っている箇所もありますが全体的に汚れが落ちたように見えます。
動作テスト
【注意】基板むき出し状態での動作確認は感電の危険がありますので絶縁手袋をしましょう。
ドキドキの動作確認を行います。
コンセントをさして運転ボタンに該当するスイッチを押してみます。
「ピッ」「グォーーーーーン」
異常なくモーターが駆動しました!
次に問題の切タイマーボタンに該当するスイッチを押してみます。
「ピッ」→1時間タイマーに該当する赤LEDが点灯
!!!正常な動作に戻っています!!!
押すたびに「1時間→2時間→4時間→タイマーオフ」の順にLEDが正常に点灯することを確認。
長押しで「チャイルドロックLED点灯」
なんと誤動作は解消されていました。
今回の異常な誤動作の原因は基板パターンはんだ面の汚れによる接触不良が原因であったと思われます。
しかし明確な不具合箇所を確認できたわけではないので再発の恐れもあります。
とにかく手間のかかる電子部品などの交換をすることなく基板の洗浄だけで不具合が解消されたことに感動しました。
保証期間の過ぎた家電製品の誤動作や不具合が発生した場合、原因不明で廃棄する前に基板洗浄を試してみてはいかがでしょうか。