PD対応 USB Type-C充電ケーブルが100均セリアに登場!

100均 セリア Type-C PD対応

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最大60Wに対応するType-C充電ケーブルを徹底解剖してみた

セリアでPD対応製品を発見

100均 セリア Type-C PD対応

充実したUSB関連商品

100均ショップに行くと必ず家電コーナーに新商品がないか見てまわります。

今回セリアで見つけたのがPD(PowerDelivery)対応60W[20V/3A]を謳うUSB Type-C関連の3製品です。

今まで100均ショップで販売されていた Type-C ⇔ Type-C のUSBケーブルで「PD対応」と記載された商品を見たことがなかったので驚きました。

一般的に「PD対応製品」は高価なイメージを持っていましたので、100均ショップで販売されたとしても110円(税込)で売られることはないと思っていました。

100均 セリア Type-C PD対応

PD対応3製品

「充電ケーブル、延長ケーブル、直角変換アダプター」の3商品が販売されていたので、とりあえず充電用ケーブルの白と黒を購入してみました。

100均 セリア Type-C PD対応

カラーは白と黒

100均 セリア Type-C PD対応

パッケージ

パッケージ裏の記載事項は下記のとおりで、特長や留意すべきと感じた点などを赤字にしています。

■製品の概要

  • 取扱店:セリア Seria
  • 商品名:超急速PD充電対応Type-Cケーブル
  • 充電性能:超急速PD充電対応(最大60W、充電専用 20V 3.0A)
  • 対応機種:ノートパソコン・タブレット・スマートフォン・ゲーム機
    (※LightningやmicroUSB搭載機器は使用できません。)
  • ケーブル長:約70㎝
  • 型番:AT-PDCASTCC01
  • 材質:ケーブル:銅、PVC コネクター:PVC
  • 製造国:中国製
  • 販売元:at.Q 株式会社アットキュー

■特長など

  • ノートパソコンやタブレットも充電可能
  • 最大60W(20V3.0A)の超急速PD充電対応
    (※接続する機器と充電器がともにPD充電対応である必要があります)
  • PD非対応機器接続時は最大5V3A(15W)充電に対応
  • オフィスやカフェなどで使いやすい約70cmケーブル
  • 断線予防ロングブッシュ採用

■使用方法

100均 セリア Type-C PD対応

※本製品は充電専用ケーブルで通信には対応しておりません。
※本製品はAlt Mode(オルタネートモード)非対応です。映像や音声の入出力には対応しません。

■注意事項

  • パソコンやタブレットなど接続する機器の電池残量や温度、設定状況によって充電スピードが制御される場合があります。
  • ご使用する電源や接続する機器の仕様や使用状況によっては、充電速度が落ちたり充電できない場合があります。
  • ご使用の際は接続する機器の取扱説明書をよくお読みの上、正しくお使いください。
  • 充電する端末が完全放電状態の場合、充電できなかったり時間がかかる事があります。
  • 本製品に起因する事故、故障、記載内容の保証などに関して一切の責任を負いかねますので予めご了承ください。
  • データ等は予めバックアップをお取りになってからご使用ください。
  • 本製品は全ての機器での動作を保証するものではありません。
  • 本製品は日本国内向けモデルにのみ対応しております。それ以外のモデルや不当な分解、改造をおこなった機器では本製品を使用できません。
  • 本製品に液体をかけたり濡れた手で本製品の接続や取り外しを行わないでください。
  • 本製品を抜き差しする時には必ずコネクタ部分を持ち、無理な力を加えないでください。
  • 充電する端末と接続した際にグラつきや緩いと感じる場合は、接続端末の端子穴が緩くなっており接続不良でご使用いただけない場合があります。
  • 本製品を分解・加工・改造したりしないでください。
  • 高温、多湿、屋外や直射日光の当たる場所での使用、保管は避けてください。
  • 差込口にホコリやゴミが入らないよう十分にご注意ください。当社の製造上の原因による不良が発生した場合は郵送にて新しい本製品とお取り替え致します。それ以外の補償は一切致しかねますので予めご了承ください。
  • 本製品の仕様、外観は改良のため予告なく変更することがあります。
  • 幼児の手の届かない場所に保管してください。

※本製品のパッケージ等に記載されている商品名や社名等は、一般に各社の商標・登録商標です。

商品パッケージより抜粋

販売元の「at.Q 株式会社アットキュー」という会社は100均ショップでUSB関連商品を多数販売しているようですが、注意事項に小さく書かれている「記載内容の保証などに関して一切の責任を負いかねますので予めご了承ください」という完全責任放棄ともとれる一文が気になります。

PD(Power Delivery)とは?

「PDとは何か?」と問われても「高出力で充電できる規格じゃないの?」という程度の知識しかなかったので少し踏み込んで調べてみました。

もともとUSBはデータ通信用の役割としてできたもので給電能力は最大2.5W程度[5V/0.5A]しかありませんでした。

しかし携帯電話の普及に続いて2007年にスマートフォン「iPhone」が登場して以降、2.5Wの出力では充電時間を要することから出力の向上が求められるようになりました。

年々進化し続けるデバイス類は性能向上に伴い、搭載されるバッテリー容量も大きくなる一方でスマートフォンに限らずタブレット、ゲーム機、Bluetooth関連機器など充電やデータ転送ポートとしてUSB Type-C(PD対応)が採用されるようになりました。

USB給電規格の歴史

規格電圧(V)電流(A)電力(W)
2000年~USB 2.050.52.5
2010~USB BC1.250.5~1.52.5~7.5
2014~Type-C51.5,3.07.5,15
2014~UAB PD5~203.0~5.015~100

現在のUSB Type-C規格は電圧側を昇圧することにより最高100W[20V/5A]まで出力できる「USB PD」が主流になりつつあります。

デバイス側の要求に応じて出力できることから充電時間の大幅短縮が可能となり、大容量バッテリーを搭載したノートパソコンやタブレットPCの充電にも「USB PD」が採用されるようになりました。

100均 セリア Type-C PD対応

USB PD(Power Delivery)とは、

  • 最大100W[20V/5A]までの電力供給が可能
  • 電力の方向性が双方に対応
  • 各デバイスに応じて要求される電力を最適化

USB PD(Power Delivery)の電流は「3.0A、5.0A」電圧は「5V、9V、(12V)、15V、20V」で電流と電圧(可変)の組み合わせにより多くの出力に対応できるのが特長です

5V9V15V20V出力(W)
最大3A15Wまで
最大3A15~27Wまで
最大3A27~45Wまで
最大3A45~60Wまで
最大5A60~100W

高出力に対応できるUSB PD(Power Delivery)規格ですが注意点として、USB Type-Cケーブルには60W対応と100W対応とでは違いがあります。

100W[20V/5A]まで対応しているType-Cケーブルは「Eマーカー(E-marker)」を搭載する必要があります。

「Eマーカー」とはケーブル長や電圧、電流などの情報を持った超小型のコントローラーLSIのことで、コネクター部分に搭載されており接続されたデバイスの要求に応じて情報交換を行うことで適切な出力をコントロールする役目を担います。

よって100W対応Type-CケーブルにはLSIチップが搭載されているのでコネクター部が大きいのが特徴です。

今回セリアで購入したPD対応Type-C充電ケーブルは60Wまでしか対応していないので「Eマーカー」を搭載する必要がありません。

例えば65W充電に対応したノートパソコンを充電する場合、65W以上出力できる充電器と100Wに対応したEマーカー内蔵Type-Cケーブルを使う必要があります。

仮に今回紹介したType-Cケーブルを使用したとしても60W以上での充電はできません。



使える製品がない…

PD(Power Delivery)の性能を発揮できる充電対象としてはノートパソコン、タブレットPCなど大容量バッテリーを搭載したデバイスなどが挙げられ、充電器も60Wクラスの出力性能を持ったものが必要となります。

ところが現在使用しているデバイス類や充電器は60WクラスのPDに対応していないので充電性能について検証することができません。

よって今回はType-Cケーブル本体の品質に主眼を置いて他社の100均ケーブルとも比較しながら見ていきたいと思います。

外観詳細寸法

100均 セリア Type-C PD対応

白と黒を購入

見た目だけでは従来から販売されているType-Cケーブルと変わりませんがコネクター部に「PD」と書いてあります。

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外観と各部位寸法

ケーブルの太さやコネクター部の形状寸法なども従来の100均Type-Cケーブルとの大きな違いは見られません。

ダイソーType-Cケーブル No.86

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ダイソー高速充電通信ケーブル No.86

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ダイソーType-Cケーブル外観

以前紹介した記事「100均ショップで買えるType-Cケーブル&アダプタ8選」の中で「ダイソー 高速充電通信ケーブル No.86」の外観形状が似ているので比較してみることにしました。

100均 セリア Type-C PD対応

大きな違いはケーブルの長さとコネクター付け根の形状くらいです。

分解してみた

コネクタ内部や使われている電線に違いがあるのか分解してみました。

パッケージ注意事項にも書かれていますが「本製品を分解・加工・改造したりしないでください」

【※本ブログ記事を参考に分解や改造を行って生じた如何なる損害に対しまして一切責任は負えません】

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分解に使った工具類

100均 セリア Type-C PD対応

コネクターを三枚おろし?!

コネクター内部を確認するためにカッターを使って魚を捌くように3枚おろしにしてみました。

基板を覆っている半透明の樹脂はホットボンドのように簡単に剥がせると思っていましたが、見た目に反して確りと固められており基板が見えるまで剥がすのに苦労しました。

100均 セリア Type-C PD対応

基盤上にはコンデンサー(C1)が取り付けられていることが確認できます。

抵抗(R1,R2)を取り付ける箇所には何もありませんでした。

100均 セリア Type-C PD対応

基板パターン

基盤を裏側からLED照明で照らすとパターンが透けて見えます。

全体的な印象としては電源コードなどのハンダ付けはお世辞にも綺麗とは言えないもので手作業で取り付けているようです。

しかしながら基盤を覆っていた硬めの樹脂でガッチリと固定されているので断線しにくいと思いました。

ダイソー vs. セリア

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ダイソーケーブルも捌く!

「ダイソー No.86」も同様に3枚おろしにして基盤が見えるようにしてみました。

こちらのType-Cケーブルはデータ通信にも対応しているので5本の線が確認できます。

100均 セリア Type-C PD対応

100均のUSBケーブルに品質を求めるのはナンセンスですがハンダ付けは同じく手作業のようで雑な印象です。

基盤に覆われていたホットボンドを剥がすときに電源コードも基盤から簡単に取れてしまいました…

100均 セリア Type-C PD対応

両ケーブルを比較してみるとPD対応を謳うセリアの電源コードが太いことに気付きます。

100均 セリア Type-C PD対応

電源コードの直径を測ってみるとセリアはΦ1.2mm、ダイソーはΦ1.0mmでした。

100均 セリア Type-C PD対応

被覆を剥がしてヨリ線をばらしてみると更に違いがありました。

セリアの電源コードはヨリ線に混じって断線などの補強用と思われる白い繊維が入っていました。

電源用コードに関しては3.0Aに対応したワンランク上の電線が使用されているようです。

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コネクタープラグの基板比較

基盤を見比べてみると共にコンデンサー(C)のみ搭載されており抵抗器(R)はありません。

100均 セリア Type-C PD対応

基板パターンの比較

基盤パターンもデータ通信用コード以外は同じピンに繋がっていることが確認できます。

分解して分かった違いは電源コードの太さと通信線の有無だけでコンデンサーや基板パターン共に同じであることがわかりました。

実はダイソーType-CケーブルもPDに対応?

100均 セリア Type-C PD対応

ところで今回比較した「ダイソー No.86」のパッケージには電流値「2.4A」しか記載されておらず電圧に関しての記載がありません。

なぜ電圧に関する具体的な数値記載がないのか?

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充電ケーブル No.5

100均 セリア Type-C PD対応

Type-Cアルミプラグ充電・転送ケーブル No.5

同じく「100均ショップで買えるType-Cケーブル&アダプタ8選」で紹介した同タイプの「充電ケーブル No.5」のパッケージにも「電流3A、USB規格2.0」とだけしか記載されておらず電圧に関する記載がありません。

実は100均で販売さている両端がType-CのUSBケーブルもPD規格であり、基本的に「Type-C⇔Type-C」のケーブルはPD非対応というのは存在しないそうです。

よって充電器とデバイス側共に60Wに対応している場合に「ダイソー No.86」を使用すると60W[3A,20V]が流れてしまう可能性があります。

2.4Aと記載されている「ダイソー No.86」を用いて3Aの電流を流し続けるのは危険だと思います。

3Aと記載されている方の「ダイソー No.5」には「USB 2.0」とも併記されています。

USB規格について記載されている理由としては転送速度のほかに「電圧は5V」という意味も含んでいると考えられます。

100均で扱われているType-Cケーブルは電圧の記載がない限り基本的に「5V」と考えて使用すべきでしょう。

よって2.4Aと記載されている場合は12Wまで、3Aの場合は15Wまで充電可能となります。

100均のUSBケーブルが原因で高価なデバイスが故障するようなことになれば悔やんでも悔やみきれません。

充電できているからといって安易に「ダイソー No.86 USBケーブル Type-C 2.4A」などのType-Cケーブルを用いて高出力が要求されるデバイスを充電するとデバイスの故障、異常発熱、最悪発火する可能性もあります。記載されている電流値以上が流れないよう充電器とデバイスの組み合わせに留意する必要があります。

まとめ

USB規格は形状、種類、性能が多岐にわたるうえ、求める性能を得るためにはユーザー側もある程度の知識を求められるので調べても非常にややこしく感じます。

一般ユーザーからするとコストパフォーマンスが優先される方が大多数だと思いますので「品質・性能<価格」となりがちです。

しかしながらケーブル性能を把握せずに急速充電などに使用した場合、財産や生命をも脅かす可能性があることも知っておくべきだと思います。

ネット通販などでは「何とか最新型」などの謳い文句を添えて粗悪品を売るケースもあるようですが、性能に見合う価格にはそれなりの理由があります。

USB関連だと「USB規格認証」を取得するにはテストにパスするだけの性能と品質が要求され、認証を得るにはそれなりの諸費用もかかってきます。

100均は徹底的にコストカットしているので品質面も必要最低限、当然USB規格の認証も受けていません。

だからといって全く使えないわけではなく、性能を理解したうえで充電器やデバイスに応じて使い分ければ今回紹介した100均Type-Cケーブルでも十分に実用性はあると思います。

何より数ある100均ショップで容易に入手できる利便性の高さは他の通販や家電量販店には真似できないでしょう。

スマートフォン、ノートパソコン、タブレットPCなどに限らず多くの家電製品にも採用されだした「Type-C」規格ですが、今後も主流となっていくことは間違いありません。

近い将来コンセントにも標準装備されるようになれば、大きなPD充電器やモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要もなくなると思います。


【USB Type-C と USB-CはUSB-IF (Implementers Forum) の商標です】