Wi-Fiルータの不具合「Aterm WG1200HS4」を分解




Aterm WG1200HS4 分解
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再起動が止まらない…分解して原因を探ってみた

それは突然始まった

フリマで入手した格安無線LANルーター「Aterm WG1200HS4」

導入後問題なく使用できていたので「安いし速度も向上したしコスパ最高!」、とても満足していました。

しかし残暑の残るある日の夜にそれは突然起こりました。

スマートフォンを使用していると突然繋がらなくなったのです。

変だなと思いながらスマートフォンを再起動すると繋がりましたが、暫くするとまた通信不能になります。

無線LANルーターを観察してみると再起動を繰り返しているではありませんか!

ACアダプターを引っこ抜いて再起動すると症状が直ったのも束の間、通信を行うと再び再起動の繰り返し…「なんだこれは?!」

本体の裏面にある「RESETスイッチ」を何度か試しましたが再起動病は直る気配がありません。

本体からは耳障りなノイズ(高周波音のような音)が絶え間なく発生しています。

打つ手がないので仕方なく以前の無線LANルーターに戻すことにしました。

保証がない…

店頭などで正規に購入した製品であればメーカー保証を受られるのですが、フリマから入手したのでお買い上げ時の確証(レシート等)がありません。

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保証規定には「譲渡及び転売・中古品・オークション等でお買い上げの場合」保証期間中でも有料修理となる旨が記載されています。

入手価格を考慮すれば自分で問題解決できない場合は廃棄するしかなさそうです。

インターネットでNEC製無線LANルーターの不具合情報を調べたり、クイック設定Webの設定を試行錯誤してみましたが改善されませんでした。

タイミングよく数週間後にファームウェア更新版が配布されたのでアップデートしてみましたが再起動病は直りませんでした。

分解してみた

ソフト上での設定変更では改善しないと判断したので廃棄覚悟で分解してみることにしました。

Aterm WG1200HS4 分解

赤丸がツメの位置

内部にアクセスするためには背面下部のネジを外す必要があります。

このネジは「トルクスネジ」と呼ばれる特殊なネジなので専用の工具が必要となります。

ネジを外したらテレカ(死語?)のような薄いカードを下側の隙間に差し込んでツメを外します。

ケースカバーのツメは下側に2ヶ所、上側に3ヶ所あります。

下側の隙間にカードを差し込んでカバーを持ち上げるようにツメを外すと取り外すことができます。

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電子部品のロゴから「カニチップ」と称されるリアルテック社のネットワーク向けICチップが搭載されていました。

あまり良い評判を聞きませんが格安ルーターなので仕方ないでしょう。

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内部基板はネジ止めはされておらず、隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで少し浮かせれば簡単にケースから取り外すことができます。

基板の下には放熱用と思われるアルミ板が設置されていました。

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分解後

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基板表面

電子部品やはんだに異常がないか観察してみますが小さすぎて目視で判断することはほぼ不可能です。

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基板裏面

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基板外観

放熱板は真ん中のICチップ裏側にシリコンシートで接して熱を逃がしているようです。

基板洗浄

基板が白っぽく汚れている箇所がありましたので基板を洗浄することにします。

以前扇風機が故障したときに基板を洗浄したら直ったので同じように試してみようと思いました。→「扇風機の修理を試みたら簡単に直った!

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準備したもの

  • 大きめのビニール袋(スプレーブース用)
  • 手袋
  • キッチンペーパー、ティッシュなど
  • 固めの筆または歯ブラシなど
  • パーツクリーナー

作業は火気のない換気の良い場所で行って下さい。

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パーツクリーナーを基板に吹き付けて筆先で擦って洗浄しました。

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作業後は風通しの良い場所に半日吊るして乾燥させました。

起動テスト

基板むき出しの状態で起動テストをしてみると問題なく起動できました。

しかし相変わらず高周波音のような耳障りな音は発生しています。

いろいろ試してみて分かったことはWi-Fi通信速度のスピードテスト(高負荷)をしたときに再起動してしまうようです。

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高負荷の状態になるとICチップに触れられないくらい高温になることも判明。

指触すると真ん中のICチップ(IC2)が最も熱くなり、IC1、IC3の順に熱くなります。

いわゆる熱暴走により再起動が頻発していたとも考えられます。

そこでICチップにアルミ小型放熱板を取り付けてみることにしました。

放熱対策

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放熱対策に準備したものは以下のとおりです。

  • ポリイミドテープ
  • αGEL(アルファゲル)シート状熱伝導ゲル
  • アルミ小型放熱板(□14㎜、高10㎜以内)

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αGELをICチップの大きさに合わせてカットします。

3つのICチップの大きさは□7㎜、□10㎜、□14㎜です。

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αGELをそれぞれのICチップに貼り付けてアルミ小型放熱板を指で圧着しました。

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基板裏から出ている電子パーツ(トランスモジュール)の足と放熱用アルミ板が接触していたので絶縁のためにポリイミドテープを貼り付けました。

ICチップ(IC2)裏に接する箇所にはαGELを貼り付けました。

Aterm WG1200HS4 分解

左と真ん中のICチップは小さいのでアルミ小型放熱板との接着力が弱いです。

念のためにポリイミドテープで基板に固定しましたが縦置きでは最悪落下する懸念があるので平置きで設置することにします。

対策の結果は…

これで問題が解決しなかったらお手上げです。

LANケーブルを接続していざ起動!問題なく起動できました。

Wi-Fi通信も安定していますしLEDも正常に点灯しています。

再起動のトリガーとなるスピードテストを何度も試してみましたが再起動はしなくなりました。

一連の対策が功を奏したようです!!!大成功(笑)

が、しかし翌日にスピードテストを再び行ってみると恐れていた症状が再発…

再起動病が止まらなくなってしまいました(泣)

リセットボタンや電源のオンオフなどさんざん試行錯誤した挙句、遂に電源すら入らない状態となり完全にご臨終となってしまいました。

享年2か月弱(満0歳)…合掌

NEC製としてはあまりにお粗末なWi-Fi無線ルーター「Aterm WG1200HS4」でした。