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Wi-Fiルーター「WG1200HS4」不具合の原因はアダプタ?!
廃棄予定ルーターの復活?
「Wi-Fiルータの不具合Aterm WG1200HS4を分解」の記事で異音、発熱、再起動の繰り返しなど不具合に悩まされ原因を探るべく、分解して目視点検、基板洗浄、放熱対策などを行った挙句に通電すらされない状態になったので完全に匙を投げていました。
使用期間は僅か2か月、フリマからの入手品なのでメーカー保証も受けられず…
廃棄予定で粗大ごみ袋に入れてあったのですが放置したまま忘れていました。
時は経ち、ふとしたきっかけでWG1200HS4のファームウェアが更新されたことを知り「そういえばまだ捨てていなかったはず」だと思い出させてくれました。
早速裏庭に放置してあったゴミ袋を漁ってみると他の粗大ごみに紛れていたWG1200HS4&アダプタを無事に発見!
長期間放置されて何かの拍子に通電できれば新ファームウェアにアップデートすることができるかも、と淡い期待を懸けてコンセントに挿してみましたが敢え無く撃沈…。
アダプタの抜き差しをしましたが無反応…うんともすんとも言わない状態でした。
ここでふと疑問が湧きました「そもそもアダプタから出力されていないのでは?」
アダプタに貼付されているシールの記載によればOUTPUTは12.0Vです。
早速テスターで計測してみると出力値は0.00V…
コードの接触不良などを疑って捻じったり引っ張ったり試行錯誤しましたが出力されていないことが確認できました。
アダプタ分解
【注】当ブログは既製品の分解や改造を推奨するものではありません。
故障や破損及び重大事故に至る恐れも伴ううえ、メーカー保証の対象外になることなどを十分ご理解いただき、これらの事態が発生した場合でも当ブログは一切の責任を負いかねますのでご了承願います。
内部に何か問題があると思ったのでアダプタを分解してみることにしました。
1カ所だけネジ(+)止めされており、本体ケース継目に貼られているシールと共に外します。
継目の隙間にヘラ状の薄い金属板などを差し込んでカバーを分離させますが接着剤が使用されているようで簡単には分離できませんでした。
薄いヘラでは無理だったので時計用の「裏蓋こじ開けツール」を使用して強引にこじ開けました。
アダプタ内部
目視によるショート痕などの異常は確認できませんでした。
マイナスドライバーを使ってケースから基板を取り外す際に「バチッ!」と火花が散りました!
コンセントから抜いてあっても一部の電子部品には電気が蓄えられているので注意が必要です。
電子部品など回路に関しての知識がない素人なので基板を眺めてもサッパリわかりません。
目視で焦げ跡やパーツの破損状況を確認することしかできませんが特に異常なし。
全体的に観察しているとコンデンサが破れている箇所を発見しました。
しかしこの破損は分解前からのものか、分解時に破れたのかが判別できません。
通常コンデンサが破裂する場合は上部に圧力を逃がす仕組みになっており、側面が破れている状況から分解時のこじ開けツールによる可能性が高いと思いました。
破損していたコンデンサは「アルミ電解コンデンサー 25V 470μF(105℃品)」
こいつを取り換えれば復活する可能性があるので早速調べてみると通販サイトで発見しました。
しかし送料込みの値段がかなり高価です。
さらにパーツを取り換えたとしても元通り通電するとは限らないのでパーツを購入して交換することは諦めることにしました。
代替アダプタ
部品交換の修理を諦めたので代替となるアダプタを探してみることにしました。
一度は廃棄する決断をしたのですがアダプタに問題があることを確認でき、本体ファームウェアをアップデートできれば以前の問題も解消しそうな予感がしたので諦めきれません。
純正付属アダプタの規格は以下のとおりです。
【ACアダプタ本体記載事項】
AC ADAPTOR AL1-004413-001
NECプラットフォームズ(株)
MODEL:2AAJ011F 1 JP
INPUT::100V-50/60Hz 0.35A
OUTPUT:12.0V—0.9A
内側:+、外側:- MADE IN CHINA
警告:屋内専用
メーカー正規品をフリマで入手するのが手っ取り早いと思いますが、検索してみると価格が高いので諦めました。
通販サイトでアダプタを検索してみると「12V-0.9A」という微妙な出力を見つけられず「12V-1A」のアダプタしかありませんでした。
電流は規格値よりも多い表記のアダプタは問題なく使えるようで1Aでも問題なく動作するようです。
多種多様なアダプタの中で見つけたのがOEM製品と思えるくらい形状も似通った下記の商品です。
「大手メーカーOEM社製品」と書いてあり、プラグの寸法などもほぼ同じなので使えると思います。
これを購入する予定でお気に入りに入れておくことにしました。
ハードオフにて
隣町に行ったついでにハードオフにアダプタがないか見に行きました。
ACアダプタと書かれた箱を見つけたので片っ端から3箱分探しましたが規格が合うものは見つけられませんでした。
意気消沈して帰ろうとしたところ「ルーター」と書かれた箱を発見!
早速漁ってみると見覚えのあるルーターがあるではありませんか!
ルーター型番は「WG1200HS」同じシリーズなので付属アダプタも全く同じものでした。
しかもお値段は何と330円?!
ただし、ジャンク品扱いなので動作しない場合は文字通りゴミになりますが試してみる価値はあるので納得のうえ購入することにしました。
はやる気持ちを抑えて帰宅後にテスターでアダプタの出力を測定すると正常に出力されています。
問題の廃棄予定だった「WG1200HS4」に接続するとPowerランプが正常に点灯!!!
前回記事 Wi-Fiルーターの不具合「Aterm WG1200HS4」 のような、「異音、再起動病、異常な発熱」などの不具合を起こすことなく正常に起動動作することを確認。
既知の不具合が修正された最新ファームウェアのアップデートも問題なく完了。
IPカメラなど各種セットアップを終え、運用を開始してから数週間経過しましたが購入当時の不具合はなく順調に稼働しています。
入手当時あれだけ悩まされた不具合は一体何だったのか?
恐らくアダプタに何らかの原因があったのだと思います。
WG1200HSとWG1200HS4の比較
WG1200HSの筐体はWG1200HS4と酷似しており殆ど違いはないように見えます。
保守用部品としてパーツを流用できそうです。
外観の大きな違いはWG1200HSが艶あり、WG1200HS4は艶消しである点。
WG1200HS4には親機・子機の状態表示ランプの「CONVERTER」と記載があります。
裏側の違いとしてWG1200HS4には保守ボタンがあります。
左側面の違いは「CONVERTER」状態表示ランプマークの有無。
右側面の違いは「CNVモード」切り替えスイッチの有無。
WG1200HS内部
ついでにWG1200HSを分解して内部を確認してみました。
外装カバーを外すためには特殊なトルクスドライバー(T10)でネジを1カ所外す必要があります。
放熱板も流用できないか基板を取り外して確認したところWG1200HS4のものとは形状が全く異なっていました。
外装カバーとスタンドだけが流用できそうです。
まとめ
今回中古品のメーカー正規品アダプタを入手できたことにより、フリマで新品として入手した「WG1200HS4」の不具合は一切再現されなくなりました。
発熱や異音などWi-Fiルータ本体から発せられていたので本体側に原因があると思い込んでいましたが、まさかアダプタを交換しただけでここまで正常になるとは思いませんでした。
アダプタの不具合によって異常が発生していたのだと考えられます。
本機WG1200HS4はプロバイダ契約の無料特典などとして市場に多数出回っているようで、同様の不具合が発生したと聞いたこともあります。
不安定な動作や給電されないなど同様の症状が頻発する場合はアダプタの不具合を疑ってみる必要もあると思います。