原因はベルト鳴き!日立洗濯機のVベルト(M-21.3)を交換修理
洗濯機の異常発生
数ヵ月前から洗濯中に「キィーッキィーーー」と耳障りな異常音が発生するようになりました。
特に脱水時の回り初めに悲鳴のような音が発生します。
改めて洗濯機を調べてみると2004年製で何と14年も経過しています。
一般的に洗濯機の寿命は7~8年くらいとされていますので、買い替え時期のような気もします。
保証期間はとうに過ぎていますし、修理の部品ストックもメーカーにはないと思われます。
原因調査
とにかく自分で原因を探るべく洗濯機を寝かせて下部から内部を覗いてみました。
蓋が開かないようにガムテープで留めてから、コンセント、水道ホース、ポンプ用ホース、排水用蛇腹ホースを外しておきます。
傷がつかないように風呂マットを下に敷いて慎重に寝かします。
目視だけで特に異常は見つからず異臭などもありません。
しかし、症状の異音から原因はゴム製ベルトであることは容易に想像がつきました。
ベルト自体も大きな損傷などは見られず特に問題なさそうな気がしますが、よく見ると摩耗によると思われるゴム摩耗粉がプーリー周辺に付着しているのを確認。
指でベルトを押してみると、たわみが結構大きいように思います。
よく観察するとベルトが直線的ではなくて曲線の緩んだ状態であることがわかります。
交換ベルトの選定
ベルトに書かれている規格を確認すると「BANDO V BELT M-21.3」と記載されています。
型番をインターネットで検索してみますが該当商品は見つけられませんでした。
機械などに使用するVベルトに関して調べてみたところ、断面形状は3種類(M・A・B)あり、この洗濯機にはMが使用されています。
数字はベルトの長さを示しており、単位はインチです。
通販やホームセンターなどでは21.3インチという中途半端なサイズはありませんでした。
しかしVベルトの張力は調節できるので、一番近いサイズであれば取り付けは可能だと思われます。
よってM-21を購入することにしました。
近くのホームセンターには同じメーカー「BANDO」の製品はありませんでしたが、規格が同じなので問題ないはずです。
Vベルトの交換作業
洗濯機を寝かした状態では作業しにくいので、逆さまの状態にしました。
(注)洗濯機を逆さまにするのはおすすめしません。
初めに安全カバーの上下2か所の六角ボルト(13㎜)を取り外します。
【※安全カバーを外さなくてもベルト交換は可能でした。追記事項参照】
六角ボルトを緩めるのですが、固着しているので容易に緩められません。
そこで活躍するのが潤滑剤です。
あらかじめスプレーしておくと緩めやすくなるのでおすすめです。
メガネレンチとソケットレンチで作業を行いましたが、奥まった狭い場所なのでエクステンションバー或いはT型ソケットレンチなどの工具が必要だと思います。
洗濯プーリーを外すために中央の六角ボルト(14㎜)を取り外します。
このボルトを緩めるとプーリーも回転してしまうので、プーリー開口部にドライバーなどを噛ませて回転しないようにしてボルトを緩めます。
洗濯プーリーを取り外すとようやくVベルトが取り外せる状態になります。
【※洗濯プーリーを外さなくてもベルト交換は可能です。追記事項参照】
新品ベルトと見比べてみましたが、ひび割れなどもなくあまり劣化しているようには見えませんでした。
もしかしたら張り具合の調整だけで修理できたかもしれません…。
交換品と元のVベルトとの違いは僅か0.3インチ(0.762cm)短いだけですので、モーター固定ボルトを緩めなくても取り付けできると思っていました。
しかし、いくら引っ張ても洗濯プーリーを取り付けることはできませんでした。
仕方ないので可動できるようにモーター固定ボルト2か所を緩めます。
Vベルトをセットして洗濯プーリーを取り付けます。
モータープーリー側を動かしてVベルトをできるだけ引っ張った状態でモーター固定ボルト2か所をしっかり締め付けます。
安全カバーを元通り取り付けて完了です。
Vベルトの見た目も緩みがなく直線的でいい感じに修理できました。
まとめ
異音の原因はベルトの劣化や緩みだったようで、交換してからはベルト鳴きのような異音は発生しなくなりました。
僅かな出費で不具合が解消されたのでチャレンジした甲斐がありました。
保証期間が過ぎてからベルト鳴きが発生した場合、Vベルトはそんなに高くないので自分で交換してみる価値は十分にあると思います。
【追記事項】
後から知ったのですが…
ベルト交換だけを行う場合は以下の手順で簡単に行えます。
- モーター固定ボルト2か所を緩める
- モーター本体を洗濯プーリー側に移動させる
- モータープーリーとベルトの間にドライバーなどを差し込む
- モータープーリーを時計回りに回転させるとベルトが外れます
- 新しいVベルトに交換して逆の手順で元に戻します
上記の手順なら安全カバーや洗濯プーリーを外す手間が省けます。
事前に交換手順を十分に調べることなく不要な作業をしてしまいました…