コッタレスクランク抜き専用工具【TL-FC10】

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

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自転車ボトムブラケット(BB)のハンガーリテーナーを交換

異変発生

後輪タイヤの交換後に車輪がスムーズに回転しないことに気付きました。

かれこれ数万キロは走っていると思うので回転部位はかなり摩耗しているはずです。

そこで回転部位のベアリングを順次交換してみることにしました。

今回交換する箇所はボトムブラケット(BB)のハンガーリテーナーとなります。

BB内部にアクセスするには専用工具が必要となり、自転車屋で依頼すれば5,000円以上も費用がかかります。

専用工具「コッタレスクランク抜き」を購入して自分で修理すれば2,000円程度で新しいハンガーリテーナーに交換することができます。

コッタレスクランク専用工具を購入

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

専用工具は複数の商品が販売されていますが、使用頻度が多くないうえ1,000円近くも価格差があると安い方を購入したくなります。

しかし安い工具の口コミには「ネジ溝が噛み合わない」などの書き込みが散見されましたので安心のシマノ製を購入しました。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

台紙裏面

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

同封注意書

油分は塗布されていないように見えますが手に油の臭いがつきます。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

外観

想像していたよりも小さな専用工具でした。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

外観(上下)

左側は14㎜ソケットレンチ、右側はBB軸からクランクを抜くための突起部

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

外観(伸縮)

クランク抜き作業の前には伸ばした状態にしておきます。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

本体重量

コッタレスクランク専用工具の役目は2つあります。

  1. クランク軸を固定している14㎜ナットの開け締め(ソケットレンチ可)
  2. クランク軸からコッタレスクランクを抜く

コッタレスクランクとは?

聞き慣れない名前なので調べてみました。

昔の自転車はクランクとBB軸の固定に「コッターピン」と呼ばれる部品を使っていたそうです。

この専用ピンを使って固定するクランクを「コッタードクランク」と呼びますが現在はほとんど採用されていません。

現在主流の固定方法は「コッターピン」を使わないので「コッタレスクランク」と呼ばれています。

準備した工具類など

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

  1. マイナスドライバー
  2. プラスドライバー
  3. コンビネーションプライヤ
  4. コッタレスクランク専用工具(TL-FC10)
  5. グリス
  6. パーツクリーナー
  7. CURE 5-56
  8. ソケットレンチ
  9. コンビネーションレンチ
  10. モンキーレンチ
  11. 多目的スパナ
  12. その他:軍手、ウエス、受皿

※3.8.9の工具は使用しませんでした。

クランク取り外し

作業前に自転車を逆さまにしてチェーンカバーのない側から作業を行いました。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

マイナスドライバーを使ってキャップを外すと内部にナットがあります。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

コッタレスクランク専用工具の一方がレンチソケットになっていますので、内部のナット(14㎜)に差し込んでモンキーレンチ又はスパナ(16㎜)を使って取り外します。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

コッタレスクランク専用工具を最大限伸びた状態にします。

ネジ溝がある側をクランク軸穴に差し込んで回らなくなるまで手で締めます。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

更にモンキーレンチで増し締めしてクランクにしっかりと取り付けます。

次にコッタレスクランク専用工具を回らなくなるまで手で締め込みます。

モンキーレンチ又はスパナ(16㎜)を使ってクランクを押さえながら更に締め込んでいくとBB軸からクランクが抜けます。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

メーカー製の専用工具だけあって簡単に取り外すことができました。

逆側はチェーンケースのカバーをプラスドライバーで外して、同様の手順でクランクを取り外します。

BB軸取り外し

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

Oリングの取り外しには専用工具「フックレンチ40〜45㎜」を使用しますが、今回は百均で購入した万能板スパナを使いました。

サイズがOリングに全く合っていないですが何とか緩めることがてきました。

その他の方法としてマイナスドライバー先端を凹部にあてて金づちなどで叩いても緩めることができます。

固くて緩められない場合はCURE 5-56をスプレーして時間をおいてから作業してみて下さい。

ワン取り外しにも専用工具がありますが、凸部(黄ライン)にモンキーレンチを押し当てて緩めました。

右ワンは取り外しませんでした。(注意:右ワンは逆ネジ)

以上の作業でBB軸とハンガーリテーナーを取り外すことができます。

奥に残った右側ハンガーリテーナーはマイナスドライバーを使って取り出しました。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

取り外した順番

  1. 左キャップ
  2. 左固定ナット
  3. 左クランクペダル
  4. Oリング
  5. 左ワン
  6. 左ハンガーリテーナー(BB軸取外し時)
  7. 右キャップ
  8. 右固定ナット
  9. BB軸
  10. 右ハンガーリテーナー

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

注意:BB軸長は左右対象ではない場合が多いので取付け時には注意が必要です。

今回のようなカップアンドコーンBBの軸は右側(チェーン側)の方が長いタイプが多いようです。また、軸には刻印がありますので前方に対して逆向きになっていないか方向で確認できます。

ハンガーリテーナーの交換

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

BB内部をパーツクリーナーとウエスを使って汚れを拭き取りました。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

新しく購入したハンガーリテーナーは11玉の鋼球がガイドにセットされた29㎜タイプです。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

取り出したハンガーリテーナーは思ったよりも状態が良くて鋼球にも目立った傷などは見られませんでした。

径サイズが同じであれば玉数が違っても問題はないようです。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

ハンガーリテーナーの取付け向きに注意:ガイド側が内側に来るように!

BB軸にセットしたハンガーリテーナーにグリスをたっぷりと塗布して逆の手順で組み付けました。

自転車 修理 コッタレスクランク ボトムブラケット リテーナー交換

ワンを締めすぎると軸の回転が重くなり、逆に緩めすぎると軸にガタつきが生じますので双方に支障がないポイントまで締めます。

あとはOリング、左右クランクを固定ナットで取り付けてキャップをすれば作業は完了です。