パソコン関連の延長ケーブルなどを自作できるエンジニア製精密圧着ペンチ(PA-20)
購入のきっかけ
パソコンの内部配線をできる限りまとめて綺麗な配線にするには各種延長コードが必要となります。
- CPU電源ケーブル(4ピンまたは8ピン)
- グラフィックボード補助電源延長ケーブル(6ピンまたは8ピン)
- 内臓USBケーブル
- ファンケーブル
など
しかし、市販されている延長コードは「帯に短し襷に長し」ということもあり、ケーブル色も選択肢がありません。それならば自分で好きな長さのケーブルを自作しようと思いました。
自作ケーブルならスリーブ化することにより複数の線を纏められて見た目も良くなります。
そこで必須の工具となるのが「精密圧着ペンチ」です。
安い商品もありますが圧着に失敗することも多いので、信頼できるメーカー・品質のものを買ったほうが後悔しなくてすみます。
今回使用した精密圧着ペンチはエンジニア製の「精密圧着ペンチ オープンバレル端子用 PA-20」です。
精密圧着ペンチ(PA-20)
PA-20は2.5mm~5mmピッチ相当までの端子の圧着に対応しています。
パソコン関連の補助電源コネクター類は4.2mmピッチとなります。
主な製品特徴は以下のとおり
- 小~中型コンタクトピンの高精度な圧着が可能
- 4つのダイスサイズを使い分ける事により2.5mm~5mmピッチ相当までの端子の圧着に対応
- AWG#28~#18のワイヤーに対応
- ダイスは肉薄仕様
- グリップは耐油性に優れたエラストマー素材
- 本体表面はテフロン加工
- 材質:高炭素鋼
- 重量:137g
PA-20製品仕様
ダイス幅(W) | ダイス高(H) | ダイス厚 | AWG(芯線) |
1.6 | 0.7 | 2.5 | #28~#22 |
1.9 | 0.8 | #24~#20 | |
2.0 | 0.9 | #22~#18 | |
2.3 | 1.0 | #20~#18 |
外観
収納時は閉じた状態で、使用時は矢印のストッパーを外して開いた状態となります。
全体の質感はとても良くてグリップも滑りにくく握りやすい素材です。
ダイス部分はテフロン加工なので高級感があります。
締めた状態のダイス形状には必要な隙間ができます。
工具自体の工作精度は高そうです。
使用感
使用コード【AWG(芯線)#18】にコンタクト【ペリフェラル電源コネクタ メスコンタクト】を圧着してみます。
広がっているバレル上部が平行になるように精密圧着ペンチ先端で調整します。
バレル幅を測定すると約2mmです。(写真左側)
測定幅に近い2.3mmのダイスを選びます。
コードの被覆を芯線バレルの長さ分だけ剥いでおきます。
加工本数が多い場合などはワイヤーストリッパーを使うと作業が非常に楽です。
2.3mmダイスの凹部に芯線バレルを差し込んで、落ちない程度まで軽くグリップを握ります。
先ほど被覆を剥がしたコードを芯線バレルに差し込みます。
所定の位置までセットしたことを確認してからグリップを徐々に握って本締めします。
この時の力加減は弱すぎるとコード抜けの原因となり、強すぎると端子が変形してコネクターに収まらなくなります。
何度か行うと握り加減のコツがつかめると思います。
芯線の圧着後に引っ張ってみて容易に抜けないことを確認します。
同様の手順で被覆バレルを圧着します。
芯線バレルよりも長いので急に握ると端子変形の原因となりますので、慎重に徐々に握りこみます。
コードをコンタクトに精度よく綺麗に圧着できました。
仕上がりの良し悪しは工具に大きく関係すると思います。
コネクターに差し込んで完成です。
総評
安物の圧着工具も所有していますが、圧着精度が均一ではなく失敗することも多いです。
今まで多くの自作コードを作成しましたが、この精密圧着ペンチ(PA-20)はほとんど失敗することがありませんでした。
これは工具自体の工作精度が良いことの表れだと思います。
圧着不良率が高いとコストも馬鹿になりませんので、結局は多少高くても信頼できる工具を購入したほうが良いです。
あらゆる分野の工作の良し悪しは工具で決まると言っても過言ではないと思います。