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従来のシリコン半導体と次世代素材のGaN(窒化ガリウム)採用のAC充電器を比較
GaN(窒化ガリウム)？
ユーチューブ動画を視聴していると聞きなれないワード「GaN(窒化ガリウム)」なるものを採用したAC充電器についての解説動画を見つけました。
従来品よりも小型化できて発熱も抑えられる次世代のIC素材とのことです。
現在Type-Cコネクタを使って充電するときはエレコムのAC充電器「MPA-ACCP15BK」を使っていますが、サイズが大きいことが難点だったので俄然「GaN採用のAC充電器」に興味が湧いてきました。
市販されているいくつかのAC充電器の中から同じエレコム製「EC-AC04シリーズ」を入手したので従来品と比較してみました。
【従来のSi(シリコン)半導体採用のMPA-ACCP15シリーズ】
【次世代素材のGaN(窒化ガリウム)採用のEC-AC04シリーズ】
MPA-ACCP15(Si半導体)
パッケージ外観
「MPA-ACCP15シリーズ」は従来素材のSi(シリコン)半導体を使用したAC充電器です。
パッケージ裏面
USB Type-Cポート1口を備えたPD対応充電器の最大出力は30Wです。
外観と各部寸法
MPA-ACCP15BKの各部寸法(㎜)はコンセントプラグを収納した状態で「長さ64.3×高さ40.0×幅28.0」です。
容積は「6.43×4×2.8＝72.016㎤」となります。
重量は75gなので単位体積質量(密度)は75／72.016≒1.04(g/㎤)となります。
EC-AC04WH(GaN半導体)
パッケージ外観
今回購入したEC-AC04WHのパッケージ外観です。
「MPA-ACCP15シリーズ」と同等クラスの充電器で、USB Type-Cポートが1口、PD対応、最大出力は30Wです。
100円硬貨と並べることでコンパクトなサイズ感が分かると思います。
EC-AC04WHの各部寸法(㎜)はコンセントプラグを収納した状態で「長さ48.0×高さ38.8×幅26.0」です。
容積は「4.8×3.88×2.6≒48.422㎤」となります。
重量は61gなので単位体積質量(密度)は61／48.422≒1.26(g/㎤)となります。
比較画像
MPA-ACCP15BK(黒)＆EC-AC04WH(白)
コンセントプラグ収納時
コンセントプラグ使用時
前後外観
並べてみると同等の出力性能ですがGaN(窒化ガリウム)を採用しているEC-AC04WHはコンパクトなサイズ感です。
壁コンセントにさした状態で比較すると突出具合の違いが良く分かります。
性能比較
MPA-ACCP15BKとEC-AC04WHの仕様を表にして比較してみました。
| MPA-ACCP15BK | EC-AC04WH | 備考 | |
| 充電性能(W) | 30 | 30 | PD規格対応 |
| 長さ(㎜) | 64.3 | 48.0 | 比率：74.7％ |
| 高さ(㎜) | 40.0 | 38.8 | 比率：97.0％ |
| 幅(㎜) | 28.0 | 26.0 | 比率：92.9％ |
| 容積(㎤) | 72.016 | 48.422 | 比率：67.2％ |
| 重量(g) | 75 | 61 | 比率：81.3％ |
| 単位体積質量(g/㎤) | 1.04 | 1.26 | 比率：121.2％ |
| 参考価格 | 1,627円 | 1,999円 | Amazon価格参照 |
| 1W当たり価格 | 54.2円/W | 66.6円/W | 比率：122.9％ |
※測定数値は実測値
充電性能が同じにもかかわらず次世代素材のGaN(窒化ガリウム)ICを搭載したEC-AC04WHは”長さ/高さ/幅”いずれも小さくなっています。
容積比は67.2％となり3割以上もコンパクトになっていることが分かりました。
本体サイズは小さいですが単位体積質量比(密度)は121.2％なので逆に2割程度重くなっています。
しかし本体の重量比は81.3％で2割程度軽くなっています。
出力当たりの価格を比較してみると約23％程度高くなりますが、携帯性の向上や発熱抑制などの優位性を考慮すると妥当な価格だと思います。
本体発熱比較
GaN(窒化ガリウム)充電器の特徴として「発熱」が抑えられることも挙げられていましたので、同条件で充電して本体の温度を赤外線放射温度計を使用して測定してみました。
【参考記事】非接触デジタルサーモメーター 赤外線放射温度計【GM320】レビュー
充電時の条件等は以下のとおりです。
- 充電対象：エレコム10000mAhモバイルバッテリー
- 商品型番：DE-M08-N10048BK
- 定格入力：5.0V/3.0A＝15W
- 測定時室温：25.8℃
最も発熱していた箇所はUSBポート付近だったのでコネクタ直下付近を5分毎に測定してみました。
| MPA-ACCP15BK | EC-AC04WH | |
| 0分 | 26.4℃ | 26.5℃ |
| 5分 | 31.3℃ | 31.4℃ |
| 10分 | 34.7℃ | 35.0℃ |
| 15分 | 38.8℃ | 37.5℃ |
| 20分 | 40.8℃ | 40.2℃ |
| 25分 | 41.1℃ | 41.1℃ |
| 30分 | 41.2℃ | 40.9℃ |
思っていたよりも顕著な温度差はありませんでした。
従来のシリコン半導体を使った充電器の小型化は技術的に限界にきているようなので、今後は次世代素材のGaN(窒化ガリウム)を採用したAC充電器が主流になると思います。
GaNを採用することにより高出力に対応した充電器も市販されるようになってきましたので、大容量バッテリーを搭載したノートパソコンなどの充電にも活躍してくれそうです。
◆高出力タイプ◆
