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各家電の消費電力/電気料金を確認して節電意識を向上しよう!
年々気になる電気料金
「地球温暖化、脱炭素社会、カーボンニュートラル、クリーンエネルギーetc.」これらの世界的な動向には賛成ですが、電気料金が高い日本では更なる値上げが懸念されます。
節電意識が最も高まるのはエアコンを多用する夏期で、春・秋・冬期に比べて電気使用量は凡そ2倍に達します。
温暖化の影響なのか扇風機だけでは凌げない猛暑はエアコンを使わないと命取りになる恐れもあるので無理な我慢は厳禁です。
それでも寝る前にタイマーを使って節電を試みるのですが、エアコンが切れると目が覚めるの繰り返しとなり結局朝方まで稼働させてしまうので電気代は嵩む一方です。
節電意識を高めるには家電毎の実質的な消費電力量を知る必要があると思っていたのでワットモニターを購入してみることにしました。
以前から消費電力量が気になっていた家電は「窓用エアコン、パソコン、掃除機、扇風機」などです。
製品候補
ワットモニターは各社から複数の製品が販売されていますが選定する際のポイントとして下記の事項が挙げられます。
- 計測可能な範囲
- データ表示部の見やすさ
- 計測項目数
- 差込プラグの位置
- 出力コンセントの位置
- 積算データの最大値
これらを考慮して最終的に候補にしたのは以下の2製品です。
EC-05EBとTAP-TST8Nの主な仕様比較 | ||
EC-05EB(エルパ) | TAP-TST8N(サンワサプライ) | |
計測範囲(W) | 1~1500 | 0.3~1650 |
データ表示部 | 2段表示 | 2段表示 |
計測項目数 | 6種類 | 5種類 |
差込プラグ位置 | 背面下方 | 背面上方 |
出力コンセント位置 | 右側面 | 底面 |
積算データ最大値 | 0.00~9999 | 0.00~9999 |
サイズ(幅×高×厚) | 62×70×28 ㎜ | 60×59×25 ㎜ |
重量 | 約85g | 約72g |
性能的には1W以下の待機電力も計測できるサンワサプライ「TAP-TST8N」のほうが優秀だと思います。
しかし僅かな消費電力量の計測を目的にしていないので、価格面で優位なエルパ「EC-05EB」を購入してみることにしました。
EC-05EB
製品の特長
コンセントに接続した家電の消費電力や電気料金、CO₂排出量を自動で測定できる便利な簡易電力計です。
日頃使っている電化製品の消費電力をチェックして、省エネ+電気料金節約の目安にできます。
測定表示できる項目は以下の通りです。
- 瞬時電力量
- 積算電力量
- 1時間あたりの電気料金
- 積算電気料金
- 使用時間
- CO2排出量
主な仕様
用途 | 家庭及びオフィス家電の電力モニター用 |
定格電圧 | AC100V、50/60Hz |
出力コンセント容量 | 15A以下 (1500W以下) |
消費電力 | 1W以下 |
測定可能範囲 | 1W~1.5kW(1500W) |
測定精度 | ±(2%+2digit) (10W 以上、力率1の電気製品接続時) |
使用温湿度範囲 | 0~+50°C、70%RH以下 (但し、結露の無い事) |
保存温湿度範囲 | 0~+60°C、80%RH 以下 (但し、結露の無い事) |
本体材質 | PC/ABS 樹脂(混合) |
警告
- 本製品は日本国内専用の為、海外での使用はしない。
- コンセントや電気製品への接続時は感電の恐れがあるので、コンセントやプラグの金属部に触れない。
- 濡れた手では絶対に触らない。
- 本製品は防水構造ではないので水につけたり、濡らしたりしない。
- 本体やコンセント、プラグに水がかかる様な場所では使用しない。
- 水、液体、異物(金属片など)が本体内部に入ると、火災や感電の原因となるので、もしも水に濡れたり異物が入ってしまった時は、速やかに本製品をコンセントから抜いて使用を中止する。
- 火災、感電の原因となる事があるので、本製品を次の様な場所に置かない。
1)直射日光の当たる場所
2)埃の多い場所
3)湿気の多い場所
4)布団や電気カーペットの上
5)調理台のそばなど水や油煙が当たる様な場所
6)強い磁気のある場所 - 煙が出ている、変な臭いがする、発熱している等の異常状態のまま使用すると火災、感電の原因となるので直ぐに次の処置を行う。
1)本製品の差込みプラグをコンセントから抜く。
2) ご購入の販売店または弊社に連絡する。 - 感電、火傷、怪我をする原因となるので本製品を分解改造しない。
- 破裂による火災、怪我の原因となるので本製品を火中に投入しない。
- 火災、変形、故障の原因となるので本製品に殺虫剤・強力洗剤・漂白剤をかけたり、シンナー・ベンジンで拭いたりしない。
- 感電の原因となるので、雷が鳴り出したら本製品の差し込みプラグには触れない。
- 火災・感電の原因となるので、本製品を落とした時など破損したまま使用しない。
- 本製品は屋内向けに設計されているので屋外では使用しない。
- 本製品に接続する電気製品のプラグを中途半端に差し込んだり、タコ足配線をしない。
- 電源プラグが傷んでいたり、コンセントの差し込みがゆるい時は使用しない。
- コンセントに電気製品のプラグを差し込んだままコードを 引っ張らない。プラグを抜き差しする時は、本製品を手でしっかりと持って真っ直ぐに抜き差しする。
- プラグの刃の周辺部分に埃がたまらないよう定期的にコンセントから抜いて掃除する。
- 感電、火傷、怪我の原因となる事があるので、乳幼児の手の届かない所で使用、保管する。
注意
- 接続する電気製品によっては始動時の電流が大きい場合があるので、最大消費電力以下のものを使用する。
- オイルヒーターやIHヒーター、エアコン、クーラー等、壁面コンセントと直接接続する様に指示されている電気製品は使用しない。
- 出力コンセントの容量は 15A(1500W) までなので、必ずそれ以下で使用する。
- 1000W以上の電気製品を使用する時は単独で使用する。
パッケージ内容物は「台紙、本体、取扱説明書(保証書)」の3点です。
操作するためのボタンは3つしかないので操作も難しくはなさそうです。
差し込みプラグは下方にあるので複数口壁コンセントの最上段に設置すれば他のコンセントを塞ぐこともありません。
出力コンセントは右側面にあり他のコードと干渉しないのが良いと思います。
表示部が大きいので表示されている数値も読みやすいと感じました。
サイズ的にはサンワサプライの「TAP-TST8N」よりも一回り大きくて少し重いです。
3㎝近い厚みがあるので壁コンセントに設置すると出っ張り感が否めません。
メーカー仕様では85gでしたが実測値は86gでした。(誤差?)
使い方
ボタンが3つしかなく各種操作もシンプルなので、一度覚えれば取扱説明書を再び見ることなく操作できるようになると思います。
使用手順(接続)
- 初めに測定したい家電のスイッチがオフになっていることを確認してからプラグを本機右側面の出力コンセントに差し込みます。
- 壁コンセントに本機差し込みプラグを差し込みます。
- 接続している家電の電源をオンにすると消費電力量などが表示されます。
表示内容の見方
真ん中のボタン「表示切替」を押すごとに3つの表示内容が順次切り替わります。
初回画面は上段に「瞬時電力量」、下段に「積算電力量(0.00~9999kWh)」が表示されます。
「表示切替」ボタンを一回押すと上段に「電気料金/1時間あたり」、下段に「積算電気料金(0.00~9999円)」が表示されます。
(※電気料金は初期設定値1kWhあたりの単価22.00円(変更可)で計算された電気料金が表示)
「表示切替」ボタンを二回押すと上段に「使用時間(2W以上)」、下段に「CO₂排出量(0.00~99995kgCO₂)」が表示されます。
(※CO₂排出量は1kWhあたり0.555kgCO₂(変更不可)で計算された値が表示)
なお、消費電力が2W以下の場合は使用時間の積算はされません。
画面③から「表示切替」ボタンを押すと画面①に戻ります。
電気料金単価設定
電気料金単価の初期値は22.00円に設定されており、電力会社に応じた単価に変更することができます。(※設定範囲は0.01円から99.99円まで)
電気料金の単価は電力会社のウェブサイトから確認することができます。
例えば初期設定値の22.00円から25.15円に設定する場合は以下のように操作します。
「表示切替」ボタン①を3秒以上長押しすると「22」の数字が点滅します。
「+」ボタンを3回押して「25」の点滅表示にしてから「表示切替」ボタン①を押します。
(※数値を減らす場合は「-」ボタンを押下)
「00」が点滅表示されるので「+」ボタンを15回押して「15」の点滅表示にしてから「表示切替」ボタン①を押します。
【デメリットポイント】
+-ボタンを長押ししても自動的に数値が進まないのは不便だと感じました。
例えば25.90に設定する場合は、26.00にしてから-ボタンを10回押すほうが手間なく設定できます。
電気料金単価が25.15円に設定されました。
なお電気料金単価は積算値をリセットする度に初期設定値の22.00円に戻ってしまうので再び設定しなおす必要があるので面倒に感じました。
積算値表示リセット
各積算値をリセットする場合は「-」①「表示切替」②「+」③の3つのボタンを同時に3秒以上長押しします。
表示部が全点灯になるとすべての積算値がリセットされます。
その他表示
このような表示が出た場合、接続した家電の瞬時電力量が1500Wを超えていることを示しています。
このまま使用し続けるのは異常発熱や発火の恐れもあるので、速やかに接続されている家電の電源を切ってコンセントから抜き取ります。
このような表示が出ている場合は「積算電力量、積算電気料金、使用時間、CO₂排出量」のいずれかの測定値が表示できる最大値を超えていることを示しています。
各算値表示リセット機能で積算値をリセットします。
消費電力測定
気になる家電の消費電力を測定してみました。
ウインドエアコン
まずは夏季に一番気になっていた「ウインドエアコンCW-1815」を測定してみました。
※本製品の注意事項として以下のように記載されています。
「エアコン、クーラー等は使用しないこと。出力コンセントの容量は15A(1500W)以下で使用する」と書かれていますので厳守しましょう。
故障、焼損の恐れがあるので使用する場合は自己責任で!
仕様に書かれている消費電力は705Wですが、始動電流は26Aもの大電流なので壊れる恐れがありますが測定してみました。
運転内容にもよりますが始動時の消費電力は凡そ650W前後で推移していました。
ドライ運転では一定時間ごとに停止・運転を繰り返すのですが、測定値によると1時間あたり14円ほどの電気料金がかかることが分かりました。
猛暑日に冷房運転をした場合は殆ど停止することなく稼働するので電気料金は更に高くなります。
ドライ運転で24時間稼働した場合、14円×24時間=336円となるのでウインドエアコンの電気料金は高いと言わざるを得ません。
【冷房運転時の瞬時電力量推移】
電源オンから1時間経過までの消費電力の推移を動画に記録してみたところ、瞬間的に760Wまで上昇していることを確認。
ウインドエアコン仕様書の消費電力で試算した電気料金18.33円に対し、本機で測定した電気料金は18.74円でした。
パソコン
デスクトップパソコン(インテル Core i7 3770)と21.5インチディスプレイの消費電力も長年気になっていました。
起動時、アイドル時、CPU使用率100%時の消費電力をモニターしてみました。
起動時は瞬間的に109Wまで達しましたがアイドル時は凡そ60W前後。
CPUベンチマークソフト「Cinebench」を使用してCPU使用率100%の状態にすると70~90Wで推移しており、瞬間的には112Wまで達していることを確認。
通常使用時では60~70Wで推移しており予想していたよりも電気代はかかっていないことが分かりました。
消費電力が低い要因としてはグラフィックボードを取り付けていないからだと思います。
電気掃除機
電気掃除機を使うと熱風が噴き出すので消費電力は大きいと思っていました。
仕様に記載されている定格消費電力1000Wに対して、弱で131W、標準で544W、強で1010Wの消費電力でした。
4畳半(絨毯敷き)と6畳の和室を掃除した場合で約2.5円かかることが分かりました。
扇風機
DCモーターに比べて消費電力が大きいとされるACモーター搭載の「日立リビング扇風機 HEF-130R」の風量毎の消費電力を測定してみました。
仕様に記載されている最小消費電力は15Wに対して実際の消費電力は12W、最大消費電力は43Wに対して40Wとなり、それぞれ3W低い値となりました。
割高なDCモーター扇風機に比べて凡そ倍の消費電力ですが、電気料金に換算して試算してみると1日あたり12時間の稼働で1か月の電気料金の差額は119円~201円となります。
さいごに
今回はシンプル操作&コスパ面で優れたエルパ簡易電力量計エコキーパー「EC-05EB」のレビューとなりましたが他社からも多くのワットモニターが市販されています。
それらの製品を機能面などで分かりやすく分類比較して紹介している Rankman.net様 のブログも商品選びの参考になると思いましたのであわせて紹介しておきます。
【BEST15】節電に!オススメなワットチェッカーはこれだ!